愛用の箸・樺の木先細箸

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目次

まえがき

身の回りのモノに徹底的にこだわって、気に入ったものだけにしたいというのが僕の性分です。
とにかく気に入って仕方がないものを紹介したくてこのブログを始めたので、どんどん書いていきたいと思います。

まずはお箸です。使わない日なんて無いほど生活に溶け込んでいる道具です。こだわり甲斐があります。

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これまでの歩み(7年分)(激長)

出会い

僕が初めてこの箸を手に取ったのは、中学3年の修学旅行で行った嵐山のお土産ショップでのことです。手にとって数秒悩んで買いました。このお箸は京都で作られているわけではないので、今思うと日本人がわざわざ京都で買うものじゃない気はするのですが、一瞬で魅入られるほど”良さ”に溢れていて一撃ノックアウトでした。

その頃は既に文房具オタクだったので、手に馴染む良いものはすぐ好きになっちゃう性質は完成されていましたね。

値段は1膳で1000円ちょっとだったと思います。

修学旅行以降、僕の食事はほぼ全てこの箸になりました。家では勿論のこと、給食セットに毎日入れて学校でもずっとこれです。

出会い2

修学旅行から数ヶ月後、地元の(今はもう無い)イトーヨーカドーの雑貨屋さんで、運命的な再会というか再対面というか、とにかく同じ箸と出会いました。

店内照明の色味や後述する艶によって、その時は完全に同じ箸だと確信を得られなかったのですが、手に持った感じがいつもの箸すぎたのでローテーション用にと追加購入しました。

家に帰って並べてみたら完全に同じで爆笑しました。

ここまでが2016年です。これからずっとこの箸です。

正体判明

この箸が株式会社トーホクの樺の木先細箸ではないかというところに到達したのが2019年の12月です。ツイ廃すぎて人生の足跡が残っていました。

ネットの海を定期的に彷徨い続けてようやく発見です。

黒色で細くて積層箸だったので最初は極細箸の墨味だと思っていたんですが、写真と見比べると角張り具合と先端の細さが違うことから、一番近いのは樺の木先細箸の方だと気づきました。

トーホクでは極細箸が一番人気らしいですね。

追加購入

この次に僕が買ったのは2020年です。1月に京都ナイフショーがあって、その後にお箸屋さん巡りをしました。「いつもの箸探しの旅」です。箸のためだけにあんなに京都を歩きまわる人間はあんまり居ないと思います。

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この頃はCOVID-19の国内初感染者が確認されたくらいで、自粛・自衛ムードがゼロの最後のひとときでした

その過程で、トーホク製で一番細い箸である極細箸の実物を観察することが出来ました。

樺の木先細箸と比べても明らかに細いのですが、その分テーパーが緩めで先端は太めでした。一番太い頭(食べ物摘む反対側の端)を比べると、極細箸が5mmで樺の木先細箸が7mmです。

先端が細くてピンセットみたいに摘めるのが好きなので、僕は樺の木先細箸派です。

その後、いつもの箸を発見。
高台寺南通り沿いにお店を構える箸や楓さんで2膳購入しました。一回り大きい箸は装飾前の謎の木の箸です。

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箸や楓さんは京塗り・京蒔絵の装飾技法でつくられた箸を販売されていて、基になる箸の中には樺の木先細箸もありました。

一番感動したのは樺の木先細箸に螺鈿細工が施されたものです。見慣れているはずの箸がこんなにも変わるものなのかととにかく驚きました。

箸や楓さんのInstagramに螺鈿細工されたお箸がありました。写真で見てもとにかく凄いです。

18歳が手を出すことができるお値段ではありませんでしたが、いつか必ず手に入れたいと思わされました。使い慣れてる箸そのものなので、使い勝手の良さとかはもう分かり切っていますからね。

箸や楓さんは色々な通販にも対応しているようです。ぜひ一度御覧になってみてください。

これは自宅に戻ったあと、使い込んだ2膳と新品の2膳を比較している様子です。

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艶が全然違います。

使い始めたら割とすぐにマットな感じになったので、油か何かが塗ってあるんだと思っていました。

カタログよると植物性の蝋ということらしいです。また、トーホクの箸は蝋コーティングとウレタンコーティングの2種類の表面仕上げがあるようです。蝋なので食洗機と洗剤で簡単に落ちてしまいますね。特に気になりませんが。

あと地味に箸先の摩耗具合も見えますね。使ってるお茶碗がザラザラ系なので割と早い方だと思います。それでも4年経ってこれなので、本当に長く使えるお箸です。

折られる

2020年8月
母に箸先を折られました。

食洗機の引き出しの動きが引っかかってポッキリ。

他の箸と比べると若干長いので、その分引っかかりやすくなるようです。

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折れる

2020年12月
今度はご飯食べてたら口の中で折れました。一応ですが、僕に箸先を噛む癖はありません。

これも食洗機で先端部に変な負荷が掛かっていて、限界ギリギリだったところで口の中で疲労破壊に至ったのかもしれません。

しかしめげません

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ニコイチにすればまだまだ使えます。

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ついでに折れていた方もニコイチにして、短く切って先端を整えて9つ下の妹用箸になりました。

ストック解禁

2022年6月

折れてニコイチにしてから1年半。1膳だけで続けてきましたが、不意になんか面倒になって2膳を使うことにしました。

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新旧で艶が違いすぎますね。

そして最古の1膳は携帯用になりました。こうして使用頻度を落とせばまだまだ長く使えます。

研究室でラーメンかペヤングを食べたいときに、割り箸を毎回用意するのが面倒くさすぎたのでこれをリュックに入れっぱなしにします。

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箸ケースにしているのはMoLLE System対応のナイフケース(と称して売られているもの)です。長さがドンピシャでした。

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シリコンの箸ケース(というよりスリーブ)が洗いやすくて音鳴らなくていい感じです。白か黒のやつが欲しいところでしたが…

お気に入りポイント

長さが丁度良い

手にあった箸の長さは一咫半だと言われています。

ℹ️
一咫(ひとあた)は人差し指と親指を垂直にした際の、2つの指先間の距離のことです。
下の写真だと15.5cmくらいです。
僕の場合の一咫半はほぼ23cmとなります。
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バランスの良い長さだと思います。

どうでもいいんですが、この記事を書いている時にこれまでの人生で箸の持ち方をずっと間違えていたことを知りました
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人差し指が余るタイプです。薬指の張力で下の箸をガッチリ固定できるので、力を込めやすいんですけどね。正しい箸の持ち方の練習をします。

先端が細い

どれくらい細いかというと、保冷バッグと同じ構造のお弁当袋を突き破るくらいです。

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Amazonで見たレビューの中には洗って上に向けてカゴに入れておいたら腕に刺さった、という人がいるようですが、僕は7年使っていても身体に刺さったことがないので使い方の問題だと思います。でもまあ中学生以上じゃないと扱いが危ない気はしますね。

なぜ先端が細い箸が良いのかというと、箸先を閉じたときに箸先と食器の間にできる空間が小さくなるからです。赤色の空間で示していますが、箸先が細いほうが小さくなります。
白い円は米粒のイメージです。

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米粒よりも箸先の丸みの径が大きいと、米粒を上手く摘めず潰してしまうことになります。固くて小さな粒(例えば胡麻)などは、滑ってしまってそもそも摘むことができません。

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これは家にあった箸との比較です。先端の丸みの径が2倍くらい違います。

僕の箸は使い込みすぎて先端が丸まっていますが、買いたてだと先端は円柱の断面のようになっているため、更に赤色で示す空間は小さくなります。

一応使い込んだ丸まった箸でも胡麻の粒を摘めるので、時間経過による把持性能の変化は無視していいと思います。

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GIFですが等速です。この煎り胡麻は最後に僕が頂きました。

実際はこれくらいのサイズ感です。

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胡麻粒を摘めますし、お茶碗に残った半分に千切れたご飯粒なんかも全部摘んで食べることができます。使い勝手のイメージはピンセットです。

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この先端のお陰でバッチリ摘めます。

これに慣れたら割り箸なんて使えたもんじゃないですし、お店のお箸も結構なストレスになります。ご飯粒が快適に摘めません。お店に箸を持ち込みたいと思っています。流石にやりませんが。

テーパーが絶妙

樺の木先細箸は2本の箸の間に頭1つ分の隙間があれば先端が自然にピッタリ閉じます。

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箸先部分が細いとしても、箸先へ向かうテーパーが急激だと頭側で大きく開かないと箸先がピッタリ閉じないことがあります。このテーパーが頭から直線状で、細長い三角形みたいな形状だと、それはそれで強度と持ちやすやに影響が出てしまいます。

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樺の木先細箸は途中で緩やかにテーパーの掛かり具合が切り替わるのですが、強度と持ちやすさと先端の閉じ具合が両立する絶妙さです。シルエットもかなり良いです。

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積層箸なので耐久性抜群

僕が7年使っていることが証明になるかと思いますが、この箸の耐久性は異常です。

食洗機だと母が引っ掛けて折るので、最近は使用後即水洗い&水切り箸立てに放り込むという若干優しい洗い方になっていますが、この箸自体は食洗機で洗っても何も問題ありません。

樹脂を含浸した積層箸なので、とにかく丈夫で耐水性が高いです。スタビライズドウッドみたいなものですね。

公式ホームページに積層箸についての説明があります。

熱硬化性液状フェノール樹脂を真空釜で減圧・加圧を繰り返しながら含浸・加熱して硬化させているそうです。フェノール樹脂というのは聞き馴染みがある名前だとベークライトです。(エヴァのアレです)

樹脂の耐熱温度が150℃~180℃なので、沸騰しているお湯くらいなら全然問題ないです。鍋で袋麺茹でる時にこの箸を沸騰したお湯に突っ込んで麺をほぐしていますが、それでも7年使えてます。

買いたてホヤホヤのときの蝋磨きによる艶が剥がれた後はマットな表面になりますが、既に樹脂を吸ったあとなので吸水性は無く、木の繊維が毛羽立つようなことも起きません。

火に直接当てでもしない限りは折れるまで使えると思います。(とかいいつつBBQでゴリゴリに使ってますが今のところ大丈夫そうです)

見た目が良い

黒くてオシャレだと思っています。僕は黒が好きなので好きです。

積層箸の木目っぽい模様もまた良いです。これは塗料を含んだ樹脂の含浸度合いの違いが模様となって出てきたものです。

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層になっているのが見える面
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層状の材料を斜めに削ったことで出てくる木目のような模様

僕は墨味という黒色のものしか持っていませんが、朱面と紫苑という別カラーもあるようです。

コストパフォーマンスに優れすぎている

これまでの項目で如何に樺の木先細箸が優れているのかお話してきましたが、これでお値段が1膳1500円弱です。昔に比べたら若干値上がりしていると思うんですが、1膳で何年使えるのかを考えたら数百円のお箸なんてもう買えません。今後一生使う分の箸を先に買っておきたいくらいです。

贈答用にも良いと思います。

あとがき

書き始めたら長くなりました。特に回想編が長すぎました。7年分なので許してください。

こんなに箸のことを書いてたら箸置きが欲しくなってきました。また、トーホクには同じ材質で菜箸と取箸があるのでそっちも揃えたいです。

フォトギャラリー

自宅での食べ物写真には大抵この箸が写っています。

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