マイコン工作におけるUSBアイソレータのすゝめ

Featured image of the post

目次

はじめに

📄Arrow icon of a page linkマイコン工作での安全策を考える

この記事の続きみたいなものです。

USBアイソレータを紹介したのですが、個人的な”正解”を発見してしまったので布教しようと思います。

USBアイソレータとは

USBを絶縁(isolation)するものです。

電子工作におけるPCの保護、計測やオーディオ関連でのノイズ除去などが一般的な用途だと思います。

以前の記事で紹介したのはアリエクで800円くらいで売っているUSBアイソレータです。
USB2.0 Type-BのケーブルでPCと接続し、4ポートの絶縁USBハブとして機能します。

Image in a image block

Image in a image block
3Dプリンターでケースもつけた

従来品の問題点

USB2.0 Type-Bのケーブルが面倒でした。

PCを破壊したくないので大学院進学後も使っていたのですが、Type-Cケーブルで使えるUSBアイソレータをアリエクで探してこれを買おうと目星をつけていました。

あるときRP2040-Zeroのパチモンを大量に購入して動かそうとして、USBアイソレータ越しだとPCで認識できないというトラブルが発生しました。

10枚買って10枚全部不良品か???→USBアイソレータの電圧降下が原因でした殺してください。
の流れになったわけですが、PCにマイコンを繋いで何かをするときにテスターが無いと電圧降下に気付けないのはデバッグが面倒だと思い、電力モニタリング機能付きのUSBアイソレータを買いました。

結論:電力モニタリング機能付きUSBアイソレータ

アリエクで最近買ったものの中ではダントツでトップの便利グッズです。

USBの信号はAnalog DevicesのADuM4160が絶縁し、電源は絶縁型DC-DCコンバータB0505S-1Wが2個並列になっています。そのため、USBハブとして見たときに、PCに繋ぐUSBコネクタとマイコン側に繋ぐUSBコネクタは電源も信号も絶縁されています。テスターでVCCとGNDが絶縁されていることを確認しました。

省電力なマイコンであればバスパワーで動作します。足りなければ補助電源を足せます(右上Type-Cコネクタ)。

Image in a image block

一番の目玉機能はESP32-C3+INA3221による電力モニタリングです。USBの3ポートそれぞれの電圧と電流と電力をディスプレイで確認できます。

これにより、マイコンがどれだけ電流を吸っているかをリアルタイムで確認できます。プログラムによって消費電流が変わるのは面白いです。

また、電圧降下があればすぐにわかるので、補助電源(右上のType-Cコネクタ)を繋ぐなどして適切な電圧でマイコンを動かせます。

また、スマートプロテクションと称した過電流保護機能がついていて、各USBポートごとに100mA~3Aの電流制限を設定することができます。

Image in a image block

設定値に到達するとそのポートは給電を停止します。

Image in a image block
過電流保護が働いたのでCH1にビックリマークが付いてる

上のボタンでポート選択、下のボタンで有効・無効を切り替えます。USB端子の左にある白色LEDに状態が反映されます。

Image in a image block

USBのVCC(VBUS)とGNDを短絡させても壊れませんでした。(個人の感想です。自己責任で行ってください。)

Image in a image block

セットで便利 スイッチ付きケーブル

USB A to Cのデータ線があるスイッチ付きのケーブルと組み合わせると、ハブごとON/OFFが簡単になって便利です。マイコンの電源再投入を抜き差し不要で行えます。

USBアイソレータはケーブルをPCに繋いでもたまに起動しないことがあるんですが、スイッチでON/OFFできると端子を傷めず抜き差しの手間も無いのでオススメです。

データ線の無いケーブルを一回掴まされたのでそこだけ注意です。上のリンクはちゃんとデータ線があるやつでした。

3Dプリントケース

置いておきます。

液晶の破損に注意

僕は液晶を2回交換しています。液晶はアリエクで300円くらいでした。

1回めは初回の開封時に、液晶のフィルムを剥がそうとして爪で押してしまって液晶に黒い斑点がついたもの。

Image in a image block

両面テープを剥がして同じやつを付け替えたら直りました。

Image in a image block
Image in a image block

次はNT東京に持って行くときに雑にカバンに入れていたら荷物がぶつかったらしく完全に割れてしまったの図

Image in a image block

キャチロボが近づいていたので、デバッグ効率を落とすわけにはいかないと思いAmazonで割高ながら購入。交換して復旧。

Image in a image block
Image in a image block

アクリルのケースかなにかで全面を覆うべきだと思います。