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const N = 24; // Final Day 勝手にRM研アドベントカレンダー Day (N - 2) を担当します。涼鈴です。 一般的な暦では12月22日とも呼ばれますが、まだ2日あります。実質初日です。
このときは6sのリポを借りて24Vでロボットアームを動かしていました。Nidec 24Hモーターは7~24Vと対応電圧範囲が広いのですが、電圧が高い方がキビキビ動くので、なるべく高い電圧で動かしたいものです。
キャチロボ期間中は借り物でなんとかなっていましたが、当然ながら借りたものは返さねばなりません。
最近はロボマスモーターとかDAMIAOモーターとかRobStrideのモーターなどを自分で制御できる環境が整ってきたので、電源さえ用意すれば自由にロボットを作って動かせる状態にあります。
安定化電源を繋いで机の上で有線駆動させる分には何でもいいのですが、地面に置いて走らせたり、無線で動かそうとすると、どうしてもバッテリーから電源を供給する必要が出てきます。
BLDCモーターを使ってロボットを作るので、欲しい電圧は24Vです。ロボマスモーターやDAMIAOモーター(あとNidec 24Hモーター)は定格24Vなので、24Vきっかりを出してくれるバッテリーが欲しいところです。
ロボコンはレギュレーションでバッテリー定格24Vまでの制限があるらしいですね。実質LiPoの6セルが上限と教えてもらいました。
重量・体積・コストと定格電流を考えると下のようなバッテリーを適切に管理して使うのが最もパフォーマンスがよいはずです。これ実際にロボコンで使ってそう。
しかし、こんな危険物を自宅に置きたくないですし、バランス充電器も高価です。
電圧管理をミスして過放電させれば即死しますし、衝撃を与えれば発火のリスクもあります。チェッカーのブザーもめっちゃうるさいです。
研究室にはぶよぶよに膨れた(購入後に体積が増えたことによってお得になった?)LiPoが転がっていて、とてもじゃないけど自分で所有したくないなと思いました。
趣味で運用するには心理的ハードルが高すぎます。
自分用のバッテリーを探すにあたり、以下の要件を定めました。
- ほぼ24V:定格電圧が重要。
- 電流が吐ける:ロボットの急激な負荷変動に耐えられること。
- 充電が楽:BMS内蔵で、ACアダプタを刺すだけが理想。
- 容量はそこそこでいい:長時間稼働より軽さ優先。
- 小さくて軽い:バッテリーが大きくて重いとロボットを小さくできない。
- 衝撃に強い:ハードケースに入っていてほしい。
- 固定が容易:マジックテープ以外で簡単に強固に固定したい。
- 安くて入手性が良い
- ある程度信頼できる
小さくて軽く、性能が良いという点では文句無しです。
ただ、「扱い(保管と充電)が面倒」という、今回一番避けたい要素を持っているので最初に切り捨てました。惜しいです。
GNBのLi-HV(リポ ハイボルテージ)がいろんなサイズがあってかなり魅力的です。
充電とか管理の手間を惜しまないのであれば間違いなくこれを買っていたと思います。
ハイボルテージだと通常のリポよりちょっと電圧が高いのも良いですね。
| 25V系(7s) | 36V系(10s) | 48V系(12s) | それ以上 | |
| Panasonic | ◯ | ◯ | - | - |
| YAMAHA | ◯ | ◯ | - | - |
| Bridgestone | ◯ | ◯ | - | - |
| Shimano | - | ◯ | - | - |
| Bosch | - | ◯ | - | - |
| AliExpress等 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
僕は48V7Ahで500Wのモーター動かす用の水筒みたいなバッテリーを持っていますが、重たくて重たくて仕方がないのでロボットに積むとしたら人が乗るサイズ感じゃないと割に合いません。
この手のバッテリーは電源が取れない場所に持ち込んでポータブル直流電源として使うのが便利だと思います。
まさに今度のKariya Micro Maker Faire 2026がその状況になるので、24V20AのDCDCと合わせて、車に付けているシガーソケット to PD12V to XA60 to シガーソケット to PDの治安が終わってる設備を丸々外し、ノートPCと卓上の24V供給をこれ一本で済ませようと画策しています。
ちなみに水筒バッテリーはDCジャック1本で充電ができます。これはBMS(Battery Management System)が入っているためです。体積・重量・コストは少し悪化しますが、バッテリー側が賢いのでバランス充電器が不要になるというメリットがあります。
信頼性は最強なんですが、ロボットに欲しい電圧と合ってないです。
- 40Vmax(実質36V)
- 18V
- 14.4V
- 10.8V
- 7.2V
があります。
RobStride系のアクチュエータなら40Vmaxでも使いやすそうですが、今回は24Vを使いたいので、降圧のためにDCDCが必要になり面倒です。
マキタが24Vバッテリーを出してくれたら多少高くても絶対それしか買わないんですけどね……
対応電圧のラインナップを増やすのは企業として大変でしょうし、望み薄です。
AliExpressでよく見かける、黒に赤のアクセントカラーが入った工具用バッテリーっぽいやつです。
24Vって書いてあるものや21Vって書いてあるものが散見されますが、24Vモデルの中身が21Vだったみたいなレビューがあったので辞めておきました。
GreenWorksの24Vバッテリーが今回の結論です。
GreenWorksは、アメリカやヨーロッパでシェアを持つ電動工具・園芸機器メーカーです。日本では馴染みが薄いですが、コストコやAmazonなどで購入可能です。
(GreenWorksは中国・江蘇省常州市に本社を置くChangzhou Globe Co., Ltd. (常州格力博有限公司)が展開する主力ブランド。GreenWorksの本社は米国ノースカロライナ州ムーアズビル)
こいつの偉いところは、24V(6s)を工具用バッテリーの形で提供してくれるところです。
AliExpressでお買い物をしたら、普通に間違えて互換品の方を買ってしまっていました。価格は2600円、とても安価です。
426gで公称24V 3Ahです。盛ってるだけでこれは2Ahだと思います。
本家の方は2Ahのモデルと4Ahのモデルがあります。
本家の4Ahのモデルはスペック表らしきものを発見できました。
| Brand | GreenWorks |
|---|---|
| Battery Voltage | 24V |
| Battery Capacity | 4.0Ah |
| Watt Hours | 86.4Wh |
| Power | 1320W |
| Maximum Continuous Discharge Current | 55A |
| Battery Cells | 18650 |
最大連続放電電流が55Aと書かれていました。4Ahモデルは2Ahモデルの倍のセルを並列にしていると考えられるので、単純計算で2Ahモデルでも最大連続放電電流は20A〜22.5A程度は出るのではないでしょうか。
数kg級の趣味ロボットであれば十分すぎます。 ひとりキャチロボくらいの規模であれば、これ一つで賄えるのではないでしょうか。
この記事では僕が買ってしまったGreenWorks互換バッテリーのまま話を進めますが、本家の方はもう少し信頼性が高いものとして読み進めてください。
まず分解です。中を見ると18650セルが6本直列になっていて、各セルの電圧を測っていそうな線が生えています。
BMSが載ってますね。
間違えて買った「40V用充電器(互換品)」はここで供養するとして、
買い直した「24V用充電器(互換品)」を見てみると、充電用に端子が2本しか生えていません。しかし、バッテリー側のBMSがよしなにしてくれるはずなので、これで充電ができるんだと思います。そう思いたいです。
(GreenWorks純正品については、正しく購入に成功した後輩の記事をお待ち下さい)
満充電時はテスターで24.75Vでした。通常の6s LiPoであれば25.2Vくらいですが、これもまたBMSが調整してこうなっているか、半導体ロードスイッチの理想ダイオード部分での電圧降下があるのでしょう。
AliExpressでアダプタが売ってます。3Dプリント品でした。
PD/QC3.0が取り出せるアダプタとか昇降圧できる安定化電源のアダプタとかもあって便利そうです。
構造としては、平端子がバッテリーに刺さるようになっています。見た目は結構貧弱です。 ただ、装着感は悪くありません。
ガチャンと嵌まるのはかなりいい感じです。
サポートの痕跡が無いのにオーバーハングが凄い形をしていたので、スペーサーを挟んだのかな?などと思っていましたが、サポート剥がしたときの白化が目立たないだけで普通にサポート使ってた説が最有力になりました。
ここまで長々とバッテリーの選定やアダプタの話をしてきましたが、実はまだこのバッテリーで何も動かしていません。
今度のKariya Micro Maker Faire 2026でラジコンタイプのロボットが作りたくて買ったので、早くこれを搭載したロボットを作ります。
明日の勝手にRM研アドベントカレンダー Day (N - 1) は、上のツイートの画像に写っているものから察しが付くかもしれませんが、@jani_onctによる改良版24V取り出しアダプタについてです。
@jani_onctが純正バッテリーと充電器も買ってそれも届くらしいので、純正バッテリー&自作アダプタという”正解”の記事は明日を待ちましょう。
僕はこの互換バッテリーと互換充電器を怖がりながら仲良くやっていこうと思います。

